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COACHINGS&Cコーチング

ラグビー日本代表S&Cコーチが教える「競技に使える強さ」の作り方

2026-06-10 ・ 読了 約11

「ベンチプレス100kg上がるのに、スクラムで押し負ける」──ラグビー日本代表の現場でこの矛盾を何度も目撃しました。数字としての筋力と、競技で使える筋力は別物です。ラグビー日本代表S&Cコーチとして現場に立ち、早稲田大学ラグビー蹴球部で次世代選手を育てた潮田健志が、「本当の強さの作り方」を解説します。

「重量を上げること」と「競技に使える強さ」は別物

数字の筋力が試合で機能しない理由

ウェイトトレーニングで測定する最大挙上重量(1RM)は、筋力の指標のひとつに過ぎません。ラグビーのスクラムやタックルで発揮される力は、単一の筋群の最大出力ではなく、全身の筋群が協調して短時間に爆発的な力を出す能力です。これを「筋間協調」「神経系の出力精度」と呼びます。

ラグビー日本代表現場で気づいた「強い選手の共通点」

2012〜2015年のラグビー日本代表S&Cコーチとしてコンバットセッションに携わる中で、高いパフォーマンスを発揮する選手たちに共通していたのは「身体の使い方のうまさ」でした。最大筋力値が特別高いわけではなくても、その力を効率よく発揮できる選手が試合で輝きます。この「力の使い方の精度」を高めることが、S&Cコーチングの核心です。

具体的には、地面反力の使い方・体幹から末端への力の伝達・接地パターンと重心位置の制御、といった要素が「競技で使える強さ」を構成します。これらはウェイトルームの数字だけを追いかけていても改善しません。動作の質を同時に高めるアプローチが不可欠です。

G-KENのトレーニング設計。競技動作から逆算した「使える強さ」を追求する
G-KENのトレーニング設計。競技動作から逆算した「使える強さ」を追求する

早稲田大学ラグビー蹴球部で実践した「育てるS&C」

「完成していない身体」を壊さずに強くする

2016〜2018年の早稲田大学ラグビー蹴球部S&Cコーチ時代は、18〜22歳という「まだ骨格・筋力が成熟過程にある」選手たちを対象にした期間でした。この時期に誤った高強度トレーニングを行うと、慢性的な怪我につながります。「強くすること」と「壊さないこと」の両立が、この年代の指導では特に重要です。

ポジション別・個人別の設計思想

ラグビーはポジションによって求められる身体能力が全く異なります。フロントロー(プロップ・フッカー)には最大筋力と接地安定性が求められ、バックス(特にウィング・フルバック)にはスプリント能力と俊敏性が重要です。同じチームにいても、ポジションが違えばトレーニングの優先事項が変わります。大学生という成長段階も一人ひとり異なるため、チームプログラムの中でも個別調整を欠かさない指導が必要でした。

この経験から、G-KENでは一般の方の指導においても「その人の身体状態・目標・生活習慣」に応じた個別設計を徹底しています。パーソナルトレーニングである以上、同じプログラムを2人に使うことは原則としてありません。

S&Cコーチが使う3つのトレーニング原則

①特異性:目標に直結する動きを選ぶ

トレーニングの効果は、行った動作に対して特異的に現れます(SAID原則:Specific Adaptation to Imposed Demands)。例えば、「階段の昇り降りが楽になりたい」という方には、股関節の伸展力と膝の安定性を高める種目を中心に組みます。「肩こりを解消したい」という方には、胸椎の可動域と肩甲骨の安定化を優先します。闇雲に全身を鍛えるのではなく、目標から逆算した種目選択がS&Cの基本です。

②過負荷:少し難しい刺激を継続的に与える

筋力・体力が向上するためには、現在の身体が慣れている以上の刺激(過負荷)が必要です。ただし「難しければ難しいほどいい」という考えは危険で、過剰な負荷は怪我や過疲労につながります。「少し難しい」レベルの刺激を週・月単位で漸進させるのが漸進的過負荷(プログレッシブオーバーロード)です。この加減を見極めるのがS&Cコーチの技術です。

③回復:強くなる時間は「練習後」にある

筋力向上は、トレーニング中ではなく休息・睡眠中に起こります。これを「超回復」といいます。ラグビー日本代表の現場では、試合スケジュール・遠征の疲労・精神的なストレス負荷まで考慮した上でS&Cプログラムを調整していました。一般の方の指導でも、仕事の繁忙期・睡眠状態・食事の質を把握した上で、その週の負荷設定を変えることがあります。「今週は強度を下げて質を上げる」という判断ができるのは、個別に状態を把握しているからです。

  • 特異性(SAID原則):目標の動作・能力に直結する種目を選ぶ
  • 漸進的過負荷:毎週・毎月、少しずつ難度を上げ続ける設計
  • 回復管理:生活習慣・睡眠・ストレス状態を考慮したプログラム調整
  • 動作の質優先:重量より先にフォームと神経系の精度を高める
  • 個別評価:初回と定期的な体力測定・動作評価で変化を数値化する

一般の方への応用:競技指導の知見が日常に使える理由

「強い身体」と「壊れない身体」は同一線上にある

ラグビー選手に必要な「タックルに耐える身体」と、50代のビジネスパーソンに必要な「腰痛にならない身体」は、求める能力の絶対値こそ違えど、「機能的な筋力と関節の安定性」という本質は共通しています。アスリート指導で培った「壊さずに強くする」技術は、むしろ体力が落ちてきた一般の方にこそ重要な知見です。

「試合から逆算する」発想を日常目標に使う

S&Cコーチは常に「いつの試合で最高のパフォーマンスを出すか」から逆算してプログラムを設計します。一般の方であれば、「3か月後の健康診断で数値を改善したい」「6か月後の登山イベントに向けて体力をつけたい」という具体的なゴールが「試合」に相当します。ゴールと期限が決まれば、そこから逆算した最適なプログラムが設計できます。G-KENでは、最初のカウンセリングでこのゴール設定を丁寧に行います。

「とりあえず痩せたい」「なんとなく体力をつけたい」という漠然とした目標より、「○月○日までに△kgのスクワットができるようになりたい」「半年後に階段を息切れせず登れるようになりたい」という具体性があるほど、S&Cプログラムの精度は上がります。ゴール設定のお手伝いも、体験セッションで行っています。

トレーニングの様子。競技選手も一般の方も、同じコーチが同じ設計思想で指導する
トレーニングの様子。競技選手も一般の方も、同じコーチが同じ設計思想で指導する

G-KENトレーニングで体験できること

体験セッション(¥5,500・60分)では、①カウンセリング(目標・現状・生活習慣のヒアリング)②動作評価(基本的な動きのパターン確認)③実際のトレーニング体験④今後のプログラム方向性の説明、という流れで進みます。「まずどんなものか見てみたい」という段階から、「真剣に結果を出したい」という方まで、同じ内容で受けていただけます。

東京・大田区の鵜の木店(東急多摩川線 鵜の木駅徒歩1分)、武蔵新田店(武蔵新田駅徒歩1分)のどちらでも体験いただけます。完全予約制のため、他のメンバーと鉢合わせることなくプライベートな環境でトレーニングできます。

まとめ

ラグビー日本代表の現場と大学ラグビー指導で得た核心は、「使える強さは、正しい動作の繰り返しと科学的な負荷設計の掛け算でしか生まれない」という事実です。重量を追うだけでも、闇雲に動くだけでも、本当の強さには近づけません。G-KENトレーニングでは、トップアスリートと同じ設計思想で、あなたの目標に最適なプログラムを提供します。

この記事を書いたトレーナーに、直接相談できます。

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